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「SHOGUN」快挙の影には、多くの努力や苦労が隠れている

真田広之さん主演のドラマ「SHOGUN」が米エミー賞で計18冠となる快挙のニュースが飛び込んできました。
私のように海外映画やドラマで描かれる日本の違和感を感じてきた人には
このニュースはかなりのインパクトを与えたのではないかと思います。
そして、今回その違和感を払拭した真田氏を改めて尊敬し、讃えたいと思います。

ここに辿り着くまで、真田氏の努力や苦労は如何ほどだったでしょうか。
海外の映画で描かれた日本に違和感を感じたものは多く存在し、
有名どころでは「ラストサムライ」や「SAYURI」「47RONIN」など。
調べてみるとそれらの映画に、真田氏は数多く出演しています。
観た人間が感じるくらいだから、出演している真田氏が違和感を感じていないわけはないと思います。
それなのに、違和感を感じる映画にいくつも出演し続けている。
なぜでしょうか?
それは、ハリウッド俳優として生きていく強い意志があったのではないでしょうか。
そして経験を重ね、俳優として実績を重ね、人間として信頼を重ね、揺るぎない地位を築くことで
今回の「SHOGUN」ではプロデューサーとして認められ、違和感のない日本を描くことに成功したのです。

それでも彼はインタビューでこう言っていました。
『これまで時代劇を継承し支えてきてくださった全ての方々、そして監督や諸先生方に御礼申し上げます』
自身がラストサムライ以降アメリカで20年間に渡り築いてきたキャリアも、
その前からずっと日本文化、時代劇を継承してきた人達がいて、そこから引き継いだものであると。
今回彼は、「Authentic(本物)」ということに強くこだわりました。
日本語のセリフだけでなく、衣装や所作、映り込む背景に至るまで、
また出演俳優やスタッフも日本から呼び寄せて、徹底して本物にこだわりました。
それが今回アメリカ人でさえも引き込まれた理由なのかもしれません。

また彼は『東洋と西洋の出会い』がこの「SHOGUN」を夢のプロジェクトにしたと言いました。
真田氏が日本文化を丁寧に描けた理由の1つに、セリフの7割を英語字幕付きの日本語にできたことを挙げています。
そうすることで、より日本が正確に描かれ、アメリカ人にも伝わりやすい上に、
日本人にも違和感なく楽しんでもらえることができると信じ、決断したそうです。
少し前までは、そのような場合は全て英語で吹き替えられていたと言われています。
アメリカ人が違和感なく英語字幕で映画やドラマを観られるようになったのは、
コロナ禍で動画配信サービスが広く普及し、特に「イカゲーム」などの韓国ドラマが
アメリカでヒットしたことがそのきっかけだと言われています。
若い世代を中心に、多様性や異文化を認める時代になってきたことも
英語字幕を普通のことにする後押しになったことも間違いではないでしょう。

真田氏の、今まで継承されてきた日本文化へのリスペクトと「本物の日本を伝えたい」という強い思い、
努力、そして時代が変わってきたこと、全てがうまく融合し、今回の快挙となったわけです。
そして彼が言うように、ここで終わりではありません。
日本人の真田氏がやったように、日本以外の国にも同じようなことが言えるのです。

快挙や成功は簡単に成されるものではありません。
時間とお金、そして関わる人々のものすごい努力と苦労と失敗、
そして成功への「強い思い」がなければ、成し遂げられるものではありません。
どんな成功も、まずは「強い思い」を持つことから始まるのです。

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