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真のリーダーシップとは〜暴力に頼らない信頼関係の築き方〜

夏の甲子園で、広島県代表の広陵高校が出場を辞退するというニュースが報じられました。
背景には、今年1月に発生した部員間の暴力事案があり、
SNSで拡散されたことが大きな要因となったとのことです。
これを受けて、今回は部活動やビジネス社会における
「真のリーダーシップと信頼関係の築き方」について考えてみたいと思います。

昭和の価値観から令和への転換点

かつて、特に昭和の時代には「厳しい指導」という名のもとに、
暴力や威圧的な態度が「指導の一環」として容認される風潮がありました。
しかし、現代社会においてこれらの行為は明確に暴力であり、決して許されるものではありません。

企業の人材育成においても同様です。
「厳しく鍛える」「根性を叩き直す」といった古い価値観は、
現在では完全にパワーハラスメントとして認識されます。
大切なのは、時代の変化を正しく理解し、新しいリーダーシップのあり方を模索することです。

暴力に頼らない真のリーダーシップとは

では、暴力や威圧に代わる真のリーダーシップとはどのようなものでしょうか。
私がこれまでのコーチング実績を通じて感じる、効果的なアプローチをいくつかご紹介します。

1. 傾聴する力
真のリーダーは、まず相手の話を丁寧に聞きます。
部下や後輩の声に耳を傾け、その人の状況や気持ちを
理解しようと歩み寄る姿勢が信頼関係の第一歩となります。

2. 具体的な期待値の共有
「もっと頑張れ」ではなく、「今月の売上目標を◯万円達成するために、今週はここに注力しよう」
といった具体的で建設的な指導が重要です。
曖昧な指示は混乱を招き、結果として関係悪化の原因となります。

3. 成長への伴走
一方的に指示を出すのではなく、
相手と一緒に目標に向かって歩む「伴走者」としての姿勢が求められます。
失敗した時は叱るのではなく、「次はどうすれば改善できるか」を一緒に考える姿勢が大切です。

心理的安全性が生む組織力

Google社の研究でも明らかになっているように、
高いパフォーマンスを発揮するチームには「心理的安全性」が不可欠です。
メンバーが安心して発言でき、失敗を恐れずにチャレンジできる環境こそが、真の成果を生み出します。

部活動においても同様で、
恐怖による支配ではなく、互いを尊重し合える関係性の中でこそ、
選手一人ひとりの持つ力が最大限に発揮されるのです。

信頼関係を築くための具体的アクション

日常的な声かけの変化

「なぜできないんだ!」→「どこが難しかった?一緒に考えよう」
「もっと真剣にやれ!」→「君の強みを活かすには、こんなアプローチはどうだろう?」

フィードバックの質を向上させる

単に結果を評価するのではなく、プロセスに注目し、改善点を建設的に伝える。
そして必ず、良い点も併せて伝えることで、相手の自己肯定感を保ちながら成長を促します。

令和時代のリーダーに求められること

今回の広陵高校の件は、私たち全てにとって重要な教訓を与えています。
それは、リーダーシップの本質は「支配」ではなく「支援」にあるということです。

企業においても、管理職の皆様には「部下を管理する」から
「部下の成長を支援する」へと意識の転換が求められています。
これは決して甘やかすということではありません。
むしろ、より高度なスキルと人間性が要求される、真のプロフェッショナルとしての役割です。

当社では、このような新時代のリーダーシップ育成を通じて、
心理的安全性の高い職場づくりをサポートしています。
一人ひとりの強みを活かしながら、個人と組織の成長を実現していく。
これこそが、令和時代に求められる真のリーダーシップのあり方だと考えています。

暴力に頼らない、信頼に基づくリーダーシップ。
それは決して簡単な道のりではありませんが、
必ず組織と個人双方にとって大きな成果をもたらすはずです。

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