出社かテレワークか。いま求められる“ハイブリッド型”という選択肢

コロナ禍が落ち着いて以降、あれほど広がったテレワークやハイブリッド型の働き方が、
少しずつ「出社回帰」の動きを見せています。
オフィス勤務を再び義務付ける企業も増えてきました。
確かに、コミュニケーションのしやすさや、人材育成の観点からは、
対面でのやり取りが望ましいという意見ももっともです。
特に、新入社員や若手社員の育成においては、
不安なことをすぐに質問できたり、表情や声のトーンから安心感を得られたりする点で、
対面ならではの良さがあります。
画面越しのコミュニケーションでは、どうしても伝わりきらない部分があるのも事実です。
一方で、コロナ禍でテレワークの快適さや効率性を経験した人たちにとって、
週5日出社を強いる働き方は、決して魅力的には映らないかもしれません。
特に、育児や介護、通院など、個々の事情を抱えながら働く人にとっては、
在宅勤務が働きやすさを大きく高めてくれる手段となっています。
こうした背景を踏まえると、企業が取るべき選択肢は「ハイブリッド型勤務」ではないでしょうか。
対面での育成や連携が必要なタイミングでは出社を促し、
自律的に働けるようになった社員にはテレワークを任せる。
そうした柔軟な運用こそが、社員一人ひとりの力を引き出し、生産性を高めるカギになります。
もちろん、工場や現場などテレワークが難しい職種もありますが、
多くの業務でハイブリッド型勤務を採り入れる余地はあるはずです。
これから日本は少子高齢化が進み、労働人口が減少していくことが確実です。
そんな中で、社員に長く、そして意欲的に働き続けてもらうためには、働きやすい環境づくりが欠かせません。
「ハイブリッド型勤務」は、そのための一つの有力な手段です。
会社の継続的な成長と人材の定着を両立させるために、
改めて働き方の見直しをしてみてはいかがでしょうか。