女性の活躍を阻む「インポスター症候群」女性たちよ、自信を取り戻せ!
『インポスター症候群』って聞いたことありますか?
あまり聞きなれないものですが、「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」の1つです。
女性活躍を妨げる「アンコンシャス・バイアス」でよく聞くのは、一般に「パターナリズム(父権主義)」あるいは「慈悲的差別」と言われるもので、「働く育児中の女性に対して、上司や同僚の男性が彼女が大変だろうと良かれと思ってする配慮」のことです。例えば、残業しないで済むように簡単な仕事しか与えないとか、出張の業務を頼まないなど。
あるいは「性別役割意識」もアンコンシャス・バイアスの1つですが、特に昭和の日本ではこれが当たり前の時代でしたね。文字通り「結婚したら男性は働き、女性は家庭に入り家事育児をするのが一番幸せ」というような、性別で役割を決めつける考え方(今や偏見ですね)のことです。
では、今回の女性に多いと言われる『インポスター症候群』についてよく見ていきましょう。
『インポスター症候群』とは
『インポスター症候群』は3つ目のアンコンシャス・バイアスです。
インポスターとは「詐欺師」を意味し、「名声や成功を手に入れた人が、自分の能力はさほど高くないのに過大評価されている、周囲をだましている詐欺師のような気分になる」状態のことを言います。
この傾向にある人は、仕事やプライベート問わず人から褒められても「自分の実力ではなく、たまたま運がよかっただけ」とか「周りの人が助けてくれただけ」と思い込み、自分の力を信じることができないのです。
この症候群は、特に社会的に成功した女性に多いと言われてきました。今では研究も進み、男性にも見られる症状だということがわかってきましたが、やはり女性に多いんじゃないかと私も思います。
インポスター症候群になりやすいタイプ
では、実際にどんな人が「インポスター症候群」になりやすいか、見ていきましょう。
勤勉な人
「人から無能だと思われたくない」という思いから、熱心に働きます。いわゆる「仕事がデキル」人です。
その結果、人から賞賛されたり、成功につながるのですが、それが逆に「また自分は人を騙している」と罪悪感に悩まされます。
それを周囲に悟られたくないこともあり、自分を追い込みがちです。
人の気持ちや感情に早く気づく
人の気持ちをなぜかわかってしまったり、上司が言いたいことをさっと汲み取って動いたりするため、周りの人や上司からも認められ、信頼されます。
でも、それを自分の能力のせいとは思わず、ただ上司の言う通りに行動しただけだと考えてしまいます。
失敗を極度に恐れる
失敗すると周りに自分が無能だと思われるため、自分の失敗を極度に恐れます。そのため、失敗しないために必死に準備したり、遅くまで仕事をして、そんな自分自身に疲れてしまいます。
また、チャンスが来ても「自分には能力がないから」や「大きな責任を自分が負うなんて無理だ」と自分の力を過小評価し、チャンスを棒に振るってしまうこともよく見られます。
完璧主義
失敗を恐れて完璧を追求し、人に「無能だ」と思われないために頑張ります。
ただ、頑張りすぎて精神的、身体的に疲労してしまうことも多いです。
また、完璧を求めた結果失敗すると、更に自分自身を追い詰め、やはり自分に能力がないからだとひどく落ち込みます。
自分に自信がなく、自己肯定感が低い
「インポスター症候群」の人は、極端に自己肯定感が低く、自分に自信が持てません。そのため、自分の仕事や役割を必死にこなし、結果を出すのです。
その結果、人から褒められても「全然すごくないです!私の力ではなく、周りの皆さんのおかげなんです。」とか「たまたま運が良かっただけなんです。」と謙遜ばかりし、自分の自信にはつながらないのです。
「インポスター症候群」から抜け出すには
「インポスター症候群」から抜け出すには、次の3つを意識しましょう。
自分に優しくする
まずは、自分自身に優しくしましょう。
「自分は能力がない」とか「もっと頑張らなければ失敗してしまう」と自分をどんどん追い込むことをやめましょう。
あなたのことを一番に考えられるのは、あなた自身しかいません。自分で自分を追い詰めてどうするのですか?
まずは、自分のことを一番に考えてあげましょう。自分自身に「頑張ったね!」と労ってあげましょう。自分自身を抱きしめてもいいんです。そうすることで、張り詰めていたあなたの気持ちが少し緩んできます。
自分自身を知る
次に、自分自身をよく知り、理解することです。自分自身の価値をきちんと理解しましょう。
そのためには、信用できる相手に思い切って自分の弱みを見せることです。話すことです。そうすることで、自分自身が殻を被っていたことに気づくでしょう。相手はあなたに、あなた自身の真実の姿を教えてくれるでしょう。それにより、あなたが「能力がない」とか「人に比べて劣っている」との思い込みを払拭することができます。
払拭できたら、周囲の人に偽りの姿ではない自分のありのままの姿、「あなた自身の本当の価値」を示すことができ、自分の言動にも自信を持てるようになります。
安定は、居心地良いけれど成長はない
「自分はどうせ能力もないからこの程度でよい」とか「今が一番落ち着いていて楽だから、これ以上成長しなくていい」などと思わないでください。「コンフォートゾーン」文字通り “居心地の良い場所” はそこにいると安心できて落ち着けるけれど、ずっとそこに留まっていては成長できないのです。
誰でも、どんな人でも、新しいことに挑戦する時に不安はつきものです。
「コンフォートゾーン」から出て、不安や多少の恐れを感じながらも新しいことに挑戦して行きましょう。そうすることで、あなたの「コンフォートゾーン」をどんどん広げることができるのです。
不安はワクワクに変わっていくはずです!
自信は身につけられる
日本では、歴史的背景もあり、「性別役割意識」が根強く残っています。
両親や祖父母から教えられてきた環境に育ち、旧式の考えを持つ企業もまだまだ少なくない状況では、簡単に男性と変わらず自信を持てと言われても難しいところもあるでしょう。
ただでさえ女性は、男性より自分の能力を低く見積もりがちです。
何も男性と同じことをする必要はないのです。
女性らしく、あなたらしく、あなたのやりたいように振る舞えばいいのです。
自分らしく行動して行きましょう。
仕事だけに限らず、日常生活でも行動し続け、成功体験を重ねていけば、自信や自己肯定感の向上につながります。
不安を感じたら、その場に止まらず、常に行動すること。
行動すれば、失敗することも増えるでしょう。
でもそれを恐れてはいけません。
失敗からも学ぶことはたくさんあるのです。
それだけではありません。失敗はあなたを強くするでしょう。
成功や失敗に関わらず、行動すれば必ず何かを得ることができるのです。
自信は身につけられる「スキル」です。
自信は行動することで身につきます。
1つ1つ成功体験を積み重ね、自信をつけていきましょう。
そうすれば、不安はなくなっていきます。
おわりに
私もかつては「インポスター症候群」でした。
自分に自信がなく、失敗を怖がってばかりでチャンスを棒に振ったこともありました。
でも私は変わることができました。
子どもの病気を経験し、自分の人生は自分で選んで進んでいくことができると知ったからです。
あなたの人生。一度だけの人生。
どうせなら素敵な人生にしたいですよね?
思い切って自分で新しい一歩を踏み出してみませんか?
あなたのその一歩が小さな自信につながります。
それが新しい世界への扉を開けるのです!!