「脳の多様性」にも理解が必要です
最近、新聞記事で知りましたが、「脳の多様性」または「ニューロダイバーシティ」という考え方があるそうです。
「脳の多様性」とは、「自閉症(ASD)やADHDなどは、人間の自然で正常な変異である」と捉える考え方です。
いわゆる「発達障がい」の特徴を、障がいではなく、多様性の1つとして捉えます。
発達障がいのある、あるいはその可能性のある子どもへの発達支援(療育)は当たり前になりつつありますが、
すでに大人になってしまっている発達障がいの方にとっては、日本の社会が十分に対応できているとは言えません。
事実、面接重視の日本企業で就職できない人や就業できていても
人間関係がうまくいかないなどで困っている人も少なくありません。
ただ、発達障がいに関しての知識を本人だけでなく、周りの多くの人が持てば、
あるいは発達障がいを持つ人へのサポートがもっと充実していれば、
発達障がいを持つ人の能力を生かして社会で活躍できるようになるのです。
これが「脳の多様性」すなわち「ニューロダイバーシティ」が実現できている状態です。
身体的な障がいは目に見えるので、わかります。
でも発達障がいは目に見えないので、なかなか理解してもらえないし、
障がいではなく、本人の個性や性格の問題と捉えられがちです。
平気で他人を傷つけるようなことを言ってしまったり、
その場の雰囲気を全く無視した行動を取ったり、
一つのことにこだわりすぎたりなど、
周りとコミュニケーションが難しく、社会性がない人と思われたりします。
発達障がいと聞くと、ついマイナス部分に目が行くのですが、
実は発達障がいの人は、集中力が高かったり、自分の好きなことにはとても秀でた能力を持っています。
そこに気づいて、対応し始めた企業も少しずつ出てきました。
要は、プラス部分である本人の資質を見極め、
その能力を発揮できる職種への配置、そして周囲の理解やサポート体制で働きやすい環境づくり。
また、本人が困った際にいつでも相談できる場所があるということ。
(ここがまだまだ足りないと思っています!!)
この両輪が必要です。
でもそれって、普通に働いている人と何か違うのでしょうか?
企業が、発達障がいの社員に対して、少しだけサポートを深める対応をすることが
結局は社員全員に対しても、さらに働きやすい環境につながると思います。
見える障がいを持つ人も、
見えない障がいを持つ人も、
どんな人もそれぞれの個性を発揮して、生き生きと輝ける社会。
それが私のめざす社会です。