“評価しない”が職場を強くする理由

ゴールデンウィークも明け、そろそろ職場の新年度のリズムが本格化してくる時期です。
この時期になると、人事や組織開発の担当者の間では、
「これからの人材育成・評価のあり方を見直したい」という心の余裕ができ始めます。
その中で特に最近注目されているのが、「ノーレイティング」という考え方です。
これまで当たり前だった「評価ランクをつける仕組み」をやめ、
日常の対話を通じて成長を支援していこう、というものです。
ノーレイティングとは、文字通り「ランク付けしない評価運用」のこと。
年1回の定期評価でABCランクや数値をつける代わりに、
普段から上司と部下がこまめに対話しながら、
成長や課題に気づき、サポートしていく仕組みです。
単に「評価をやめる」という話ではありません。
むしろ、評価以上に丁寧なコミュニケーションが求められる運用です。
全ての職種で有効というわけではなく、特にノーレイティングと1on1が活きる職場といえば、対人支援(教育・福祉)の現場と言われます。
教育や福祉の現場では、一般的な「数値で成果を測る」評価制度がなじみにくいという課題があります。
・子どもや利用者さん一人ひとりの状況が違う
・支援の「成果」がすぐに目に見えるわけではない
・プロセスそのものに大きな意味がある
こうした特性の中では、「この人は成果が高い/低い」と単純に比べること自体が無理があります。
それよりも、日々の関わり方や、支援に込める思いをしっかりと受け止め、
成長を一緒に考える姿勢が何よりも大切です。
そのため、ノーレイティングと、それを支える1on1の仕組みは、
対人支援系の職場に非常にマッチします。
例えば、ある福祉施設では、
「年2回の目標設定面談」と「月1回の1on1」を組み合わせた運用に取り組みました。
目標設定は、成果ではなく「どんな支援を心がけるか」「自分の成長テーマは何か」を中心に設定します。
月1回の1on1では、
・最近困っていること
・うまくいった支援の話
・今後チャレンジしたいこと
などを、上司が聴き役になって丁寧に対話します。
この取り組みにより、
・現場スタッフが安心して意見を言えるようになった
・新人さんの定着率が向上した
・支援の質が自然と高まった
という成果が見られました。
成功のカギは「1on1の質」
とはいえ、ノーレイティングの導入は簡単ではありません。
単に「評価をなくしました」と宣言するだけでは、かえって現場が混乱するリスクもあります。
日常の1on1を、**「安心して本音を話せる対話の場」**にすること。
これが、ノーレイティング成功の最大のポイントです。
そして、効果的な1on1を行うためには、
・傾聴する力
・適切な質問を投げかける力
・相手の成長を支援するフィードバック
といった、上司側のスキルが不可欠です。
株式会社アズイズでは、1on1導入を支援するサービスを提供しています。
特に教育・福祉など**「数値評価がなじみにくい現場」**に向けて、
現場に寄り添った1on1の導入支援・トレーニングを行っています。
「ノーレイティングを目指したいけれど、どこから手をつけたらいいかわからない」
そんなお悩みをお持ちの方も、ぜひ一度ご相談ください。
詳しくはこちら → 株式会社アズイズ公式サイト