「優秀な人ほど辞めていく。その原因は「JTC文化」にあった【地方・中小企業の現実】

【地方・中小企業の現場から】
東京など大都市圏では「JTC批判」は少し古いテーマかもしれません。
でも、地方の中小企業では、これが今まさに直面している現実です。
私は大分県出身で、地方食品メーカーの管理職を経験し、
現在も地方・中小企業を中心にHRコンサルティングを行っています。
そこで見えてきたのは、都市部の議論とは異なる「地方企業のリアルな課題」でした。
『JTC』ってご存知ですか?
Japanese Traditional Companyの略で、直訳すると「伝統的な日本企業」という意味です。
ただし、この言葉は伝統的な日本企業の悪しき風習や良くない文化、
もしくは「ありがちなこと」に対して揶揄、冷笑、自虐する際に用いられることが多いのが実情です。
年功序列と希望を無視した人事異動は、代表的なJTCの文化です。
優秀な人ほど、自分より仕事をしていない年配社員が
自分より遥かに高い給料をもらっていることに不満を感じます。
年功序列の制度の中で悠々と働いている人たちは、何もしなくても給与が上がっていくため、
本人の成長もないばかりか、社内の生産性や業績も上がりません。
加点主義ではなく減点主義も、JTCの特徴の1つです。
チャレンジした結果失敗したら叩かれるわけですから
、チャレンジや改善なども積極的に行われなくなります。
これらが重なった結果が、日本の「失われた30年」をつくってきたのです。
「JTCなんて今さら?」
都市部の方はそう思われるかもしれません。
しかし、地方・中小企業の現場では、これが今まさに深刻な課題として存在しています。
私が支援している企業の多くは、
– 年功序列からどう脱却すればいいか分からない
– 減点主義の文化をどう変えればいいか悩んでいる
– 優秀な若手が次々と都市部や大手企業へ流出している
こうした「リアルなJTC問題」と日々向き合っているのです。
これからの時代、JTCのまま変わらなければ会社の継続はありません。
なぜなら、今後働き手がどんどん減っていく日本社会で、
成長のない、社員を大切にしない会社に人は集まらないからです。
会社の経営に必要な人手が得られなければ、経営すら存続できなくなります。
特に地方・中小企業にとって、JTCからの脱却は「生き残りをかけた戦い」です。
都市部の大企業のような潤沢な資金はない。
ネームバリューで人を集めることもできない。
でも、だからこそ「人」を大切にする組織づくりが、最大の競争力になるのです。
VUCAの時代と言われる現在。
変化への対応力が、企業にも働く人にも求められています。
あなたの会社は、変化の一歩を踏み出せていますか?


