退職代行を使われる前に——地方中小企業が今すぐできる「2段階の離職防止策」

新入社員が入社からわずか数日で「退職代行」を使って辞めてしまう——そんなニュースが、この春も世間を騒がせています。
2026年4月1日、各地で入社式が行われたその日から、退職代行サービスには新入社員からの依頼が相次ぎました。ある退職代行業者では、4月1日から3日までの3日間だけで新入社員からの依頼が11件にのぼり、全体依頼数の3割を占めたと報道されています。さらに4月1〜7日の1週間の依頼数は前年同期比約2倍のペースで推移しており、「超早期離職」の傾向はとどまるところを知りません。
退職代行を使う・使わないにかかわらず、入社後数日〜数週間での早期離職は、大卒・高卒を問わず年々増加しています。退職理由として最も多いのは「入社前の説明と実際の労働条件の違い」——つまり、入社前のミスマッチが離職の最大の引き金になっています。
「今の若者は……」と嘆く声も聞こえてきます。
しかし、離職の本当の原因は若者の気質だけにあるのでしょうか。実は、企業側の「伝え方」「見極め方」「配置の判断」の中にこそ、早期離職の種が潜んでいることが少なくありません。
特に、一人ひとりの人材が貴重な地方の中小企業にとって、早期離職は経営に直結する深刻な問題です。今こそ、新人を責める前に見直すべき「2段階」の現実的な対策をお伝えします。
第1段階:採用・配属時の「本音」のすり合わせと「適切な配置」
早期離職を防ぐ最初の砦は、採用・配属の段階にあります。
最も大切なのは、選考段階で「いい顔」をしすぎないことです。
会社の魅力だけを伝えて採用しても、入社後にギャップを感じた瞬間、退職の引き金になりかねません。可能であれば複数回・異なる立場の社員と話す機会を設け、繁忙期の厳しさや現場のリアルも包み隠さず伝えましょう。それを聞いて辞退する方は、入社しても早期離職する可能性が高い方です。正直な情報開示は、双方にとっての「ミスマッチ防止」になります。
なお、高卒採用では学校推薦・1人1社制のルールにより、複数回の面接が難しいケースも多いのが現実です。だからこそ、限られた面接の場で現場のリアルを正直に伝えること、そして学校の先生との日頃の信頼関係を大切にすることが、ミスマッチ防止の鍵になります。
そしてここで大きな力を発揮するのが、株式会社ロジックブレインが提供するHRMツール「TOiTOi(トイトイ)」です。当社はTOiTOiの導入支援パートナーとして、企業の皆様への活用をサポートしています。
TOiTOiは、SPIなどと同様に採用時の適性検査として活用でき、履歴書や限られた面接時間では見抜けない「個人の行動傾向や意思決定の癖」を四半世紀以上の統計データを元にAIが分析・可視化します。クラウド上のサービスのため検査は10分程度で完了し、結果は即時確認が可能です。面接当日の午前中に検査を実施し、午後の面接でその結果を活用するといった使い方もでき、選考期間が短い高卒採用でも無理なく導入できます。
対象者の志向を分析することで面接時から入社後のミスマッチを回避できるだけでなく、相性の良い面接官を選ぶといった活用も可能です。さらに、その人がどの部署・役割で最も力を発揮できるかという配置の判断にも活用でき、「なんとなく」の感覚に頼らない、精度の高い採用・配属が実現します。
第2段階:入社後の「孤独」を作らないフォローと1on1の活用
採用・配属の段階でミスマッチを防いだとしても、それだけでは十分ではありません。退職代行を選ぶ新入社員の多くは、「誰にも相談できない」という孤独の中で限界を迎えています。
入社後のフォローで特に意識していただきたいのが、「聴く」仕組みを日常に組み込むことです。改まった面談でなくても構いません。週に一度15分、お茶を飲みながら「最近どう?」と声をかける対話の習慣が、新入社員の不安を和らげる大きな力になります。
また、忙しい現場ではつい後回しになりがちな受け入れ準備も、実はとても重要です。「自分の席がある」「名前入りの名札が用意されている」といった些細な配慮が、新入社員に「自分はここに必要とされている」という最初の安心感を届けます。地方の中小企業では人手の関係でこうした準備が後回しになることも珍しくありませんが、だからこそ意識的に取り組むことが、他社との大きな差になります。
TOiTOiは入社後も継続して活用できます。採用時に収集した個人データをそのまま1on1や日々のマネジメント・育成に活かせるのが、このツールの大きな強みです。個人の特性に合わせたアドバイスの最適なタイミングや目標設定の指針まで把握でき、誰でも質の高いマネジメントを実践できます。また組織全体の人材配置を可視化し稼働率を最適化することで、「この会社は自分のことを分かってくれている」という安心感が生まれ、失望による離職を防ぐことにつながります。
おわりに:採用は「ゴール」ではなく「スタート」
採用はゴールではありません。入社した日から、本当の関係が始まります。
採用・配属時のミスマッチの芽を事前に摘み、入社後も個人データを活用した1on1や丁寧な伴走で信頼を積み重ねる。この誠実な積み重ねこそが、退職代行とは無縁な「人が育ち、定着する組織」をつくる土台になります。
「採用のやり方を見直したい」「今の新入社員とどう向き合えばいいか分からない」とお悩みの経営者の皆様、ぜひ一度ご相談ください。貴社の現状に寄り添いながら、定着する組織づくりをご一緒に考えます。


